バックナンバー 第1〜20回

第1回 CARLO RIVA

第1回 CARLO RIVA

第1回という事で、いきなりの登場ですが、イタリアのカルロ・リーバ社の生地です。
レア度でいえば、最高峰の内の一つではないでしょうか?
名前自体はシャツ好きの方の中ではなかなかの知名度ですが、生地の生産量自体が少ないため、『生地の宝石』と呼ばれたりもしています。

その中から今回紹介致しますのは、定番中の定番、白無地の一つです。
こちらの生地は170番手双糸の平織りで、通称カルロ・リーバのポプリン。
そのキメ細やかさは高級番手特有のスベスベ感と柔らかさ、カルロ・リーバ特有のヌメリが感じられます。
上手く伝えられているか自信がありませんが、例えるならば、指に片栗粉をつけて擦り合わせているような。。。?

興味のある方は、是非一度触りにいらしてください。
そして、より伝わりやすい表現を一緒に考えましょう!

第2回 DAVID JOHN ANDERSON

第2回 DAVID JOHN ANDERSON

第2回なんですが、カルロ・リーバが出たならこちらも外せません。
英国のDJアンダーソン、白ブロード(白無地の平織)です。
その特徴はやはり超高級番手に現れます。
その糸番手、なんと200番手双糸!
これは、1ポンド(454g)の綿で16万8千ヤード(153.6km)の糸を作る計算になります。
あまりに非現実的な数字なので、疑ってしまいますよね。
そんな細い糸を、2本寄り合せて1本にしたのが200番手双糸です。
アンダーソン以外にも200/2を作っている所はありますが、イタリアのカルロ・リーバのまさに対極といった意味では、やはりアンダーソンがしっくりきます。
カルロ・リーバは前述の通り、柔らかな風合いのスペシャリストといった感じですが、一方アンダーソンはカチッとした打ち込みの、固めの風合いです。
カルロ・リーバがイタリアのチョイ悪オヤジのフットワークの軽さなら、アンダーソンは英国紳士の風格、といったところでしょうか。
実際に、両者の風合いは好みの分かれるところで、カルロ・リーバのファンの方々はアンダーソンの硬さが苦手だとおっしゃる方が多いですし、逆にアンダーソンのファンの方は、カルロ・リーバの生地は柔らかすぎてイカン、と言います。
共に世界トップレベルのハイ・エンドな生地ですので、どちらも試してみたいですね。
さて、あなたはどちらの方が体に合うでしょうか?

第3回 ALMO

第3回 ALMO

今回は季節物ということで、スイスのアルモ社の夏生地を取り上げたいと思います。
夏生地と一口に言っても、素材、織り方、紡ぎ方など、様々な種類があります。
今回はここで、その中でもオーダーワイシャツではポピュラーな種類である、綿ボイルの事を併せて紹介します。
綿ボイルとは、読んで字のごとく「綿」の「ボイル糸」を使った生地なんですが、ボイルといっても茹でる(boil)という意味ではなく、強撚糸(voile糸)を使った生地のことです。
糸のみを触ってみると、ちょっとチョリチョリしてます。
年配の方がよく高品質な夏生地の代名詞としてスイス・ローン、と言いますが、ローンよりもボイルの方が夏生地としての機能は優れていると私は思います。
ボイルという言葉があまり知られていないので、ボイルもローンも同じものとして考えられているのではないかと思われます。
とにかく通気性が良いので、夏場に上着を着ていなければならない方などには、その効果は絶大です。
アルモのボイル生地は、色鮮やかなものも多く、気分も夏になりながら、涼しさも確保出来る、一石二鳥な優れものです。
初めて夏生地を着た時の衝撃は相当なもので、昔は夏に自分が通年物のシャツを着ていたのが信じられなくなったくらいです。
半袖、ノータイのクールビズ・ファッションもいいですが、長袖にネクタイでキメながら涼むのも格好良いのではないでしょうか?

第4回 BREMBANA

第4回 BREMBANA

第4回の今回は、前回に引き続きまして、夏生地をご紹介したいと思います。
イタリアの生地ブランド、ブレンバーナのリネン100%の生地です。
ウチに安定供給されてくるリネン生地の多くが、このブレンバーナの麻生地です。
シャツ生地の麻には大きく分けて2種類あります。
リネン(亜麻)とラミー(苧麻)です。
高級生地の中では、やはりリネンの方が多いです。
おそらくは、リネンの方が麻らしい感触があるからではないかと思われます。
上質なリネン生地は柔らかく、通気、吸湿に優れています。
洗いこめば洗いこんだだけ風合いは良くなっていくので、着る楽しみも洗う楽しみもあるのではないでしょうか?
ただし、これは綿のシャツでもそうなのですが、洗濯の際、出来るだけ糊の使用は避けるようにしてください。
麻の繊維は、糊で固められてしまうと風合いも損なわれますし、縮んでしまいますが、何よりもあっという間に痛んでしまいます。
クリーニングに出す時には、『糊なし』『手仕上げ』(手アイロン)という内容でお願いしてください。
ブレンバーナのリネンは、色数も豊富ですし、クオリティーも高いので、今まで麻のシャツを着た事のない方には、一度お試しいただきたい1枚です。
今年の夏は、コットンスーツにリネンシャツの組み合わせなんていかがでしょうか。
まさに夏の装いですね。

第5回 D.J.ANDERSON(2回目)

第5回 D.J.ANDERSON(2回目)

2回目の登場となるアンダーソンです。
他にも沢山紹介したい生地、ブランドがあるんですが、季節物優先でいこうと思います。
あんまり頻繁に出していっても、ネタ切れになっちゃいますし(笑)
とはいえ、生地は店頭に巻いてあるだけでも5〜600はありますし(ブック型の生地見本を入れれば凄い量になりますが、直接大きな生地を見れないと触り心地もイメージも沸いてこないので、数には入れていません。)、常に新しい生地も入ってきてますから、紹介しきれないとは思いますが。

さて、本筋に戻りまして、アンダーソンですが、今回は一個前に続いて麻をご紹介いたします。
ブレンバーナの麻もそうですが、こちらもリネン100%で、クオリティー的にはブレンバーナのもう一つ二つ上のランクです。
ワイシャツに使う麻の中では、おそらくナンバーワンではないかと思われます。
コシ、ハリ、しなやかさ、どれも群を抜いています。
これほどの生地なのでウチでもファンの方がいらっしゃいまして、毎年まとめて誂える傾向があります。
ですから、無くなるときには一気に無くなってしまいます。
色は白の一色のみの展開なんですが、最高級の麻に興味のある方は、他の麻と触り比べてみてください。

第6回 THOMAS MASON

第6回 THOMAS MASON

第6回は、割と馴染みのある方もいらっしゃるかも知れませんが、イギリスのトーマス・メイソンです。
ただし、今回はその中から、シルバー・ラインではなく、ゴールド・ラインのご紹介です。(シルバー、ゴールド・ラインというのが、正式な呼称かどうかは不明ですが、生地屋、シャツ屋には比較的通じるようです。)
トーマスのゴールドラインは、基本的に140番手双糸で織られており、超高級番手のシャツの入門編ともいえる生地です。
写真の生地は、共にゴールドラインで、合物(夏物、冬物でなく、年間を通じて使う生地)です。真夏には暑いですが、今年の入荷分の中でも特に気に入った生地なので、取り上げて見ました。
特にブルーの色出しが絶妙です。
どうしても色柄が限定されがちな超高級番手のなかでも、トーマスのゴールドラインは比較的色数、柄数も多いので、選択の幅は広がるのではないでしょうか?
ちなみに、トーマス・メイソン社は、ここの第2回、第5回で紹介した生地メーカー、デビッド&ジョン・アンダーソンを買い取ったという歴史があるんですが、後にアンダーソンごとイタリアのアルビニ社に買われているので、トーマスもアンダーソンも、厳密に言えばイタリアの生地メーカーになります。
ただ、ここでは風合いや特性を分かりやすく区別する為に、イギリスとさせてもらっています。
ゴールドラインのクラスの生地になると、一般的な既製品の生地と明確な差が出てきますので、着て、見て、触って楽しんでみてください。

第7回 ALBINI

第7回 ALBINI

第7回は、イタリアの大手、アルビニ社の生地です。
大手なだけあって、生地の色、柄数はかなり多いです。
最近は精力的に同業の生地メーカーを傘下に収め、それぞれの特長を活かした生地をつくっています。
アルビニの生地で、ウチに入ってくるメインは100番手で、140番手クラスが2割、100番手クラスが8割、と言った所でしょうか。
高級番手の常ですが、番手が上のものは色柄がおとなしい物中心になっています。
アルビニのハイクラスは、風合いがトーマスのゴールドラインに近い感じですが、柄行がやはり違います。
逆に、100番手のラインは華やかな印象を与えるものも多く、イタリアらしい、陽気な色合わせがたくさんあります。
手に入りやすく、クオリティーも安定しているため、休日などのオフタイムのジャケット・スタイルに最適の1枚を、きっと見付けられるはずです。
紺のブレザーの下に写真のパステルカラーのストライプのシャツ。
白い綿のパンツにライトブラウンのベルトと靴、なんていうコーディネートはいかがでしょうか?
ファッション誌に載っていそうな感じですね。

第8回 OLTOLINA

第8回 OLTOLINA

今回はちょっと珍しい生地を選んでみました。
イタリアのメーカー、オルトリーナの生地なんですが、オルトリーナの生地そのものが珍しい訳ではありません。
このオルトリーナの数ある生地の中には、風合いがとてもカルロリーバに良く似ているものがあります。
もうウチにも若干数しか残っていないんですが、非常に良く似ています。
正確に細かいところまでは分かりませんが、以前仕入元に「凄く似てますね?」と尋ねたところ、カルロリーバと似ていて当然、との事。
どういう事かと言いますと、カルロリーバの風合いを生み出している大きな要因の一つが、当然ですが織機になります。
伝統的な、古い機械ですから、手間暇かけて高品質な生地を織るとなれば、当然生産量は少なくなります。
これがカルロリーバの希少性に繋がるわけですが、そのせいなのか、カルロリーバが潤わない時があったようで。(他社の台所事情ですから、原因はあくまで想像ですが。)
そこに目をつけたのがオルトリーナらしいです。
なんと、カルロリーバの織機の半分を買い取ったそうです。(いつ頃の話かは不明ですが、私が知ったのは2004年頃です。)
だから、同じ機械で織れば、素材や糸の太さのチョイスが近ければ、当然似かよった風合いの生地が出来上がってくる、と言う訳です。
カルロリーバの名前が付かなきゃ意味が無い、という方でなければ、少し安く手に入るカルロリーバ・テイストを着てみてはいかがでしょうか?

第9回 アンダーソンその3

第9回 アンダーソンその3

またまたDJアンダーソンのご紹介です。
どれだけアンダーソンが好きなんだ、と言われてしまいそうですが、ちょうど新しい柄が届きましたので、早くお知らせしなければ、と。
今回も200番手双糸の平織りなんですが、ご要望の多かった白地に色縞の、少し白の間隔が広いものです。
大体、白が7ミリに色が3ミリ、という感じです。
色は3色で、黒、紺、水色です。(写真では分かりづらいですが。)
今回の仕入れは、アンダーソンのサンプルの中から、ウチが直に選んだものなので、各色共にある程度の長さがございます。
おそらくはすぐになくなるようなことは無いと思いますので、興味を持った方は是非一度ご覧下さい。
生地番手のハイエンド、200番手は欲しいけど、白はいらないなぁ。。。という方には最適です。
他にもアンダーソンの色物は多数御座いますので、併せてご覧下さいませ。

第10回 YNAS

第10回 YNAS

記念すべき、第10回ということで、今回は世界に誇れるクオリティーの国産生地をご紹介させていただきます。
YNASは、高級ワイシャツ生地問屋の株式会社ヤナセがオリジナルで作成している生地で、色柄、番手は色々とあるんですが、今回取り上げるのは定番中の定番、白無地です。
この生地の特徴は、タテ糸に140番手の双糸、ヨコ糸に100番手双糸のボイル糸を使うことで、軽くて軟らかい、カルロリーバのリシオに似た風合いを出していること。
イーナスは全てこの風合いというわけではありませんが、イーナスはそれぞれが上質な生地であることは間違いありません。
最高級の生地で作る前に、一度ウチの仕立てを知っていただくには最適な生地ではないでしょうか?
ヨコ糸にボイル糸を使っているんですが、完全な夏物ではなく、スリーシーズンお使いいただける1枚です。
日本の生地の代表、イーナスで作ったシャツを、有名ブランドのシャツの生地と比べてみるのも面白いですね。
きっと満足のゆく結論に至ると思いますよ。

第11回 SIC

第11回 SIC

第11回は素材の王者、海島綿(シー・アイランド・コットン=SIC)で織られた生地をご紹介します。
生地ブランドを知らない方でも、海島綿という言葉を聞いた事は有るかもしれません。
少し前の話ですが、東京の地下鉄の中吊り広告欄に海島綿協会が広告を出したりもしていました。
私たちにとっては身近な名前なんですが、さすがに地下鉄の中で見つけた時には少々驚きました。
なんでこんなところに広告を出すんだろうか、って。
おっと、話が逸れました。
海島綿の特徴は、兎にも角にも繊維そのものにあります。
皆さんはあまり生地から糸を一本取り出して解いて見る、なんて事をしていないとおもいますが、ちょっとほつれた糸でも見つけましたら、捻って糸を繊維に戻してみてください。
すると、その糸の元である綿繊維の大まかなクオリティーが分かります。
綿は、繊維の長さ=繊維の質、という感じで評価されている事が多いので(後は産地などですね)、長ければ長いほど高品質になるんですが、海島綿はやはり圧倒的な長さを誇っています。
コットンボール(綿の塊の状態)の段階では、当然短い物も中にはあるんでしょうが、徹底して除外し、海島綿クオリティーのものしか残さないのです。
ちなみに綿のランクは、短繊維→中繊維→長繊維→超長繊維と上がっていきますが、超長繊維と呼ばれるようになるには、1本の繊維が3.5センチ以上必要で、海島綿は長いものだと6センチにも達します。
そんなハイクラスな素材によって生み出される生地は、極上の光沢と柔らかさ、そして吸水性を持ち、キング・オブ・綿と言えるでしょう。
今回の写真に使っている綾織の生地が最も海島綿の風合いを強く感じていただけると思います。
ご着用の際には厚い糊と機械プレスにはご注意下さい。
折角のフンワリ感が潰れてしまうばかりか、縮み、生地劣化等を急激に早めてしまいます。
他の生地でも同じ注意点なんですが、海島綿は風合いが良いだけに、余計にご注意いただきたいと思ってしまいます。
糊なしの手仕上げにしていただければ、それだけでシャツの寿命は俄然延びます。
風合いと長持ちの両立の為、糊なし手仕上げをオススメさせていただきます。

第12回 ALMO 170/2

第12回 ALMO 170/2

アルモのハイクラス、170番手の新柄、入荷しました。
色はブルー、グレー、ピンクの定番3色、 柄は縞です。
入荷に伴なって、早速触ってみましたが、、、とても良いです。
糸番手が良い平織りなので、手触り、滑りがいいのは当然なんですが、几帳面なアルモらしい打ち込みのしっかりとした、目の詰まった仕上がりです。
いかにも伸び縮みに強そうな感じです。
アルモのハイクラスの生地は、アンダーソンとよく似ていて、とにかくキッチリとした打ち込みの生地で、ハリ、コシがあります。
カルロリーバ(特にリシオ系)は柔らかさを出す為、意図的に打ち込みをゆるくしていますから、フンワリなイタリアン・テイストのシャツになりますが、打ち込みのしっかりした高級番手の生地は、カチッとした風合いで、英国紳士とでもいうような趣になってきます。
生地の説明というよりも、新柄インプレッションという感じになってしまっていますね。
また一つ、触って欲しい生地が増えました。
お店にお立ち寄りの際には、遠慮なく次々に触ってみてください。
その中から、一番好きな風合いを見出して頂いて、御自分の好みを知ってみてはいかがでしょう?

第13回 アルビニ

第13回 アルビニ

今回の生地は、イタリアのアルビニ社の生地なんですが、番手としては今までに紹介した中では最も太い70番手単糸です。
色は3色、赤、青、黒の縞で、白地の部分に織の縞も入れています。
ご存知の方もいらっしゃるとは思うんですが、一応簡単に単糸の説明をさせていただきます。
単糸とは、読んで字のごとく、生地の形成が一本の糸で成されているということです。(ちょっと分かり辛いですが)
双糸なら2本の糸を撚り合わせる事で、一本の糸を作っていますし、三子糸(みこいと)ならば三本で一本を成しています。
ですから、単糸を、糸にかかっているのとは逆方向に捻っていくと、バラバラの綿繊維の状態になりますが、双糸はまず2本の糸になり、それを捻れば繊維に戻ります。
一本の糸が細ければ細いほど、長い繊維が必要になるので、海島綿のような綿が重宝される訳です。(高級番手の双糸の1本1本はとても細いです)
単糸、双糸の説明はこれ位にしておいて、本筋の方へ戻りますと、今回の生地は70番手単糸=140番手双糸と同等の太さ、となるんですが(140番手の単糸を2本絡めて双糸にするため)、一般的には双糸に比べて、単糸はあまりクオリティーは高くなく、安価である事が多いです。
が、50番手を超える細さの単糸は、なかなか侮れないクオリティーを持っています。
というのも、単糸の特徴は生地のザックリ感や色の入りやすさ(太いから)などが多いんですが、細番手の単糸はザックリするほど太くないので、若干固めながらもしなやかな風合いと手触りが出ています。
50番手までの単糸は普通に見かけるんですが、70番手や100番手の単糸というものは殆どお目にかかる機会がありませんので、実際に触ったことがあまりありませんでした。
単糸でそこまで細い糸を使って生地を織る必要が無いからかも知れませんが、昨今の日本でも広まりつつある「他の人とは少し違った物」への欲求を満たす物としてはなかなか面白いかもしれません。
そういう経緯で作られたのかは判りませんが、アルビニという会社は大きいので、以前から色々な開発をしてきていますから、新ジャンルとして作られていくかもしれませんね。

第14回 トーマス・メイソン ソブリン

第14回 トーマス・メイソン ソブリン

今回の生地は、ご紹介していいものか迷ったんですが、珍しい生地なので載せてしまいました。
というのも、このT/Mのソブリン、まず手に入りませんので。(ウチには、ですが。まぁ、他でもまず見ないと思います。)
ちなみに今回の入手点数は1着分のみ、です。
こんな不安定な、というよりも、偶然手に入ったような生地をここに載せても、皆様にご提供出来ないのは明らかなので、伏せておこうかと思ったんですが、結局、こんなレアな生地を載せられないなんて!との誘惑に負けてしまいました。
必然的に早い者勝ちになってしまいますので、恐らくは直接見ることが出来る方の方が少なくなってしまいます。
そこはご容赦下さいませ。

生地の説明としては、メーカーは前述のようにトーマス・メイソンで、番手は160番手の双糸になります。
つまり、トーマスメイソンのゴールドライン(140番手双糸)の更に上、まさにトーマスメイソン・ソブリン(sovereign=最高の・至上の)という訳です。
生地の幅がヤール幅(生地幅の説明は入りきらなかったので、次回以降に入れさせて戴きます。最近、ちょっと文章が長すぎるんじゃないか、と思いまして。)なので、生地そのものは最近作られた物ではないと思われますが、全く痛みも汚れも無く、生きた状態でした。
間違いなくレアな出物なので、手に入れた方はラッキー、手に入らなかった方は次のレア物発掘を楽しみにお待ち下さい。
今後もこういった生地を逃さずゲットしてこようと思っています。

第15回 アルモ170/2 白無地

第15回 アルモ170/2 白無地

ちょっと前にも出てきたアルモの170番手ですが、今回は同シリーズの白ブロードです。
なぜここで取り上げたかというと、今までもあるにはあったんですが、今後的には定番(可能な限り、常に店頭に有る)生地として扱おうという事になりまして。
こういったハイクラスのインポート生地は、国産や普通のインポートに比べて安定供給が難しく、入荷→販売→品切れ→発注→入荷、を繰り返す物が多いので(在庫分が無くなってから、入荷までに時間が掛かる事が多い)、気に入っていただいた生地でリピート注文を頂いても、タイミングによってはお待たせしてしまう事もしばしばです。
が、生地屋さんの方での定番展開(常に早めのリピート発注)に伴ない、いつでも提供させて頂けるようになりました。
ここで紹介している生地には早々になくなってしまう生地も多いのですが、この生地はいつ来て頂いても直接触っていただけますし、お作りいただけます。
白しか着ない方、白でオシャレしたい方、礼装用に使いたい方などにオススメさせていただきます。
生地の定番化→衿や袖口の交換がいつでも共生地で可能、ということにも繋がりますので、一つの身頃でかなり遊べますし、長くお召しいただけると思います。

第16回 SIC色OX

第16回 SIC色OX

07年の秋冬生地が一通り揃いました。
今回はその中から、オックスフォードの無地を2点ピックアップしました。
他の物も順次ご紹介させていただきます。
以前にも出てきた海島綿ですが、今回は色物が手に入ったので、先陣を切っての登場です。
今までも海島綿はやっていたんですが、色物はここしばらく登場していませんでした。(アンダーソンで海島綿を使った生地は持っていますが、国産の色物はありませんでした)
10年近く前にも海島綿の色物オックスは出たのですが、それ以来ではないでしょうか?
今回は水色とブルーの2色で、写真の一番上にあるのは前から置いていた白の海島綿オックスです。
写真では判りづらいかもしれませんが、織り方が少し違います。
今回の新物(色物)の方が、少し織り目が細かいです。
ただ、糸番手は同じですが。
生地の風合いに関しては、前に海島綿の項で述べた通りなんですが、海島綿の持ち味が最も引き出されるのがオックスやツイルといった立体的な織りの生地だと思います(私見)。
柔らかくてしなやかな海島綿を使い、オックスやツイルのようなフンワリした生地を織る。
良くないはずがないですね。

第17回 HONEGGER

第17回 HONEGGER

今回は、今まであまり取扱いの無かった生地なんですが、イタリアのホネガー社から、色物を含む綾織生地(フランス綾)です。
綾目が太くクッキリしていて、光沢もあります。
ここ数年のイタリア系ファッション・トレンドの定番で、幅広い年代、特に20~30代の若い方には絶大な人気を誇っていますね。
チョイ悪ブーム以前の、本当にイタリアンファッションが好きな方々発信なので、未だに人気は衰えていません。
大きなワイド・スプレッドの2ツ釦の衿に大きなラウンドのカフスって所ですね。
が、それらのシャツは殆どが白。
まぁ、定番なんですが。
と、言う訳で、今回は白だけでなく、色無地も一緒に見ていただきたいと思っています。
好きだったんだけど、流行モノになってしまって皆が着てるから、自分はあんまり着たくない、なんて方には最適なんじゃないでしょうか?
流行と独自性の融合です。

第18回 カルロリーバ

第18回 カルロリーバ

ホームページで最も問い合わせの多い生地が、やはりカルロリーバなので、追加で紹介をさせていただきます。
私の独断と偏見で見立てた色の特に良い3色の色違いです。
他にも、ブルーと茶色の縞なんていうキワどいのもいるんですが。。。
機会があれば、写真を載せます。

生地の紹介自体は以前済ませてしまっているので、今回は色の紹介に留めさせていただいて、前にすると言っていた生地幅の話をしようかと。
ワイシャツの生地には大きく分けて3種類あって、幅が狭い方から、ヤール、112(114)、ダブル、といったところです。
他にも、アルモのボイルは140幅だったりと、細かな仕様の違いはあるようです。
カルロリーバだったら生地幅はヤール幅です。
ヤール幅とは、1ヤードの訛りで出来た言葉で、91.4センチ、一般的にはシングル幅と言われる事の方が多いようですが、ウチではヤール幅と呼んでいます。
日本的に言うと三六(サブロク・36インチの事)幅です。
カルロリーバに代表されるような、古い織機に多いです。
シルクもこの幅が多いです。
クオリティーが高い生地が多いのは、未だに古い機械を使っている事と、丁寧な物作りがイコールになりやすいからでしょうか。
続いて114幅。
これは恐らく正確な呼名は存在しないんじゃないでしょうか?
ウチでは広幅といったり114幅といったりしていますが、他で聞くと112幅という方が多そうです。
国産の生地は大抵これです。
最後がダブル幅。
何のダブルなのかはわかりません。。。
恐らくシングル幅より広いからだと思うんですが、2倍ではないです。
生地の幅は150センチ前後(60~62インチ→152~157センチですが、148位の物も含めています)で、現在最も多く用いられている生地幅だと思われます。
インポートの生地はほぼこれで、国産でもウールなんかはこの幅です。
一般的には114幅ではなく、こちらを広幅と呼ぶようですが(ヤール幅の並幅に対して)。
スーツの生地はまずダブル幅です。
幅が広いとアイテムのパーツが取りやすく、生産効率もコストも抑えられるメリットがあります。

と、生地には色んな種類が幅だけでもあります。
やっぱり長くなりすぎました。
次は何について載せるか悩みますね。。。(本筋とは離れていますが。。。)

第19回 アンダーソン入荷

第19回 アンダーソン入荷

アンダーソンの追加が出ました。
今回は2柄入ってきたんですが、これからも随時入荷の予定ですので、入ってきたら柄の紹介をさせていただきます。 今回の入荷分は、両方ともブルーのストライプで、1つはミディアムブルーのブロード(平織)で、大体ブルー3ミリに白1ミリといった間隔です。
もう1つはもう少し薄い色で、水色のツイル(綾織)のストライプです。
間隔は、およそ4ミリの水色に2ミリの白です。
写真では、下がツイル、上が平織になっています。
どちらもまとめて取ってありますが、特にツイルの方は早々に無くなる可能性があります。(前回同じ物を入れた際、瞬く間に無くなってしまったので。)
個人的には平織の方が好きなんですが、やはり秋冬はツイルの方が人気が出やすい、というのもありますので。
ちなみに両方とも200番手双糸です。
気になった方、以前お求め頂いてまた欲しかった方、どちらも早めのお問い合わせの方を宜しくお願い致します。

第20回 オルトリーナ

第20回 オルトリーナ

やっと涼しい日が多くなったと感じるようになりましたので、今回は秋冬の生地をご紹介させていただきます。
これらの生地は、色柄を見れば解るとおり、完全なカジュアル用で、ジャンルとしては綿起毛になります。
ジャケット・スタイルの方や、シャツにブルゾンなどを合わせる方などに打って付けです。
コーデュロイのパンツにエルボーパッチ付きのジャケット、ハンティング帽を合わせたりするにはもってこいのシャツになると思います。
ちょっとレトロなカントリー・スタイルのコーディネートには、入れておきたい素材です。
今回は目を引くので、割と強めな色柄を選んでみましたが、店頭には大人し目の無地物もあります。
非常に柔らかく、とっても暖かい生地なので、冬場に寒い思いをしているのに、ウールはチクチクして苦手、なんて方には最適だと思います。(私がそうなので。)
綿素材ですから、水洗いも出来ますし(心配な方はドライクリーニングで大丈夫です)、アイロンを使わずに、洗いざらしで着るのもカジュアルらしくて良いですね。
ウォーム・ビズが今年も出てくると思いますので、オシャレすることで環境対策、してみませんか?